2006年03月25日

 少し間が空いてしまいました。今回は予告通り、出張先で見た和風庭園について
です。洋風の庭作りをしている私ですが、和風庭園にも学ぶべきところが沢山あり
ます。特に、必要最小限の要素で作られる(ように見える、見せている)和風庭園
は、全体の構成や配置が絶妙です。

 出張先で見た庭園は、「借景」を使った庭園です。「借景」ってご存知ですか?
文字通り「景色を借りる」のです。バックに見える山や林、そういった要素まで、
庭園の景観に組み込んでいるのです。
京都の圓通寺の借景庭園は見事です。ここは、比叡山を借景として使った庭園です。
遠景に比叡山、近景に見事な枯山水の庭園、その間に京都の緑豊かな林・・・
そういったものが一体となっています。生垣の高さも、比叡山など外の景色と一体化
した庭園が、最も綺麗に見える高さに調整されています。更に付け加えると、室内
から見ると、廊下の柱までが一体化して、額縁の役目をしています。
昔々この庭園を造った人は、比叡山が綺麗に見える場所を、何十年も探して、今の
場所に圓通寺を建てたそうです。

 この借景庭園が危機にさらされています。
周辺の開発が進み、庭園の要素である遠景が、乱れてきています。圓通寺も例外では
なく、比叡山と近景の間に位置する林が開発され、見事な庭園のバックに近代的な
建物がぼんぼん見えるのも、時間の問題だそうです。

 同じような事は、私の日々の庭作りにも言えます。
必ず、お客様宅の建物の色や雰囲気(特に外壁の色や、建物の形)、周辺住宅地の
雰囲気、隣家の外壁の色や雰囲気・・・そういった要素を将来的な面まで考えて、
プランをお作りしています。ただ、どうしても住宅地ですと、「借景」というわけ
にはいきません。多いのは「目隠しになる木を植えて下さい」というご希望です。
しかし、「いかにも目隠し・・・」という、陳腐な植え方にはしたくありませんし、
木の種類もこだわります。総合的なプランが必要になります。

見納め...?満開のクリスマスローズ!

満開のクリスマスローズ

球根の小道 黄色と白のクロッカス

球根の小道 黄色と白のクロッカス

コデマリの花芽がたっくさん!プチプチが全て白い花になります

コデマリの花芽がたっくさん!



WAWAWA@ガーデンハーモニーflowerdays at 16:27│コメント(0)トラックバック(0)

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